ものもらいはうつるのか?

ものもらいはうつるのか?

ものもらいの原因は、麦粒腫の場合は目に入り込んだ雑菌の炎症であり、霰粒腫の場合はまぶたの分泌腺の詰まりです。

 

どちらの場合も、他人と触れ合うことによって感染するものではありません。

 

例えば口内炎などは、誰にでも起こり得る病気なのですが、口内炎は感染するとは誰も思いませんよね。これと同じで、ものもらいも、人から人に感染することはありません。

 

だから、もし身近な人がものもらいになってしまっても、衣類やタオルなどの接触には、さほど神経質にならなくても良いのです。

 

ものもらいにかかっている人が使ったタオルを使ったから、自分もものもらいになってしまった…というような現象は、単なる偶然なのです。

 

では、なぜそんな偶然を勘違いしてしまうのでしょうか。

 

それは、「ものもらい」という病名が、「他人から病気をもらってくる」という意味に誤解されてしまっていることがひとつの原因として挙げられます。

 

しかし、ものもらいという病名の由来は、「他人からものを恵んでもらう(=ものをもらう)」ことによって病気が治ると言われていたからだと言われています。したがって、病気をもらうという意味ではありません。

 

それなのに、いつのまにか言葉の感覚に左右されて、違う意味に解釈されてしまったようです。

 

もうひとつの原因は、ものもらいが流行する季節があるからです。

 

みんながものもらいになりやすいのは、ズバリ、夏。

 

夏場は気温が高いために、目の周りにも汗をかいてしまい、デリケートなまつげの内側などに雑菌が入り込みやすい状況が起こりやすい季節です。

 

また、プールで泳いだり海や川でマリンスポーツを楽しんだりと、目に直接雑菌が入りやすいレジャーも、夏場が一番の最盛期ですよね。

 

こういった理由から、夏にものもらいが流行することがとても多く、そのために人から人にうつっているんだ、と勘違いされてしまいやすいのですね。

 

また、もうひとつの原因として、「はやり目」という別の病気と誤解されやすいということも挙げられるでしょう。

 

はやり目とは、ウイルス性結膜炎のことで、ものもらいとはまったく別の病気です。

 

はやり目の場合は、目やにがたくさん出たり白目が充血する、まぶたの裏側に白い膜ができるなど、ものもらいとは異なる症状が出るので、見分ける際の参考にしてみてください。

 

はやり目の場合はウイルス性の病気なので、他人にもうつってしまいます。もしどちらかわからない場合は、速やかに眼科の専門医の診断を受けると良いでしょう。
⇒ものもらいの症状